河内スタヂオ情報
The Kochi Studio Information

新聞記事になりました

スタジオのことが各新聞社社から取材され新聞記事を紹介します。

読売新聞 2004年(平成15年)1月25日


自宅スタジオの録音 世界に

大潟の河内さん 趣味高じてCD制作
大潟村で取った音を世界に発信したい---。趣味が高じて自宅に録音スタジオ「河内スタヂオ」を作った同村西、農業河内伸介さん(47)は、プロ、アマチュアを問わず、CD制作の為の演奏録音に情熱を燃やしている。
できあがったCDは専門誌でも優秀録音に選ばれるほどの音質で、河内さんは「ミュージシャンが納得する音が録音出来たときは本当にうれしい。裏方としてがんばっていきたい」と話している。

 河内さんは高校2年生の時、ラジオ番組でマイルス・デービスを聞きジャズの世界と出会った。高校時代、大館市内のジャズ喫茶にも通うようになったが、東京の大学進学後は、プロのギタリスト・宮之上貴昭(みやのうえよしあき)氏に師事した。
 
 一方、新宿のピットインなどのジャズクラブに足繁く通った。生の音に感激した河内さんは、演奏をラジカセでこっそり録音するようになった。ある時それを見つかってしまうが、怒られることもなく。「録音しているなら、カセットにとって、ちょうだいよ。」と言われたという。河内さんは「当時は著作権をうるさく言う風潮はなかった」と振り返る。

 これが転機となり、河内さんはミュージシャンの許可を得て、録音に精をを出すようになった。アルバイトしたお金は、ワンポイントのステレオマイクからはじまり、ミキサーなどに姿を変えていった。

 帰郷する際、河内さんはギタリストの夢をあきらめる一方。スタジオを故郷に作ろうと胸に秘め戻ってきた。農家を継ぐ傍ら、宮之上氏が大手レコード会社から発売するライブレコードの録音を担当するなど、多くのミュージシャンの仕事を縁の下で支えることで腕を磨いてきた。

 夢の実現は1999年1月。自宅改装に伴い、1階にスタジオを作った。河内さんの仕事場となるコントロールルームやドラムブースを含めた広さは約百平メートル。設計は自ら担当した。北欧産の合板を使い、演奏のためのスペースでは温度・湿度が管理され、残響時間は0.7秒となっている。

 昨年は、日本を代表するクラリネット奏者、北村英治さんがエディ・ヒギンズ(ピアノ)、スコット・ハミルトン(テナーサックス)、などの世界的プレーヤーを従えて来秋。河内スタヂオで4作目となる「ヴィンテージ」を録音。年末には、県内外に住む秋田大学医学部OBらで作るジャズバンド「アウト・オブ・バーンズ」の録音も行われた。

 河内スタヂオではこれまで、ビンテージを含め、プロの10作品が録音され、うち7作枚が、専門誌スイングジャーナルや、Stereoで優秀録音などに選ばれている。

 河内さんは「多くのミュージシャンと仕事が出来て感激している。迷路久遠と呼ばれる作品作りを目指し、彼らを支えたい」と話している。


朝日新聞 2004年(平成15年)1月17日


第2秋田 企画特集

[がんばれ秋田]

ジャズ界の大物も録音/河内伸介さん



「あこがれの人の演奏を自分のスタジオで録音する。夢のような時間だった」

 大潟村の河内伸介さん(47)=写真=が農業の傍ら、自宅に録音スタジオを開設して5年。ジャズ演奏家の間で静かな人気を呼び、昨年はジャズ界の大物サックス奏者、スコット・ハミルトン氏やクラリネット奏者の北村英治氏らの演奏を収めたCD「Vintage」を録音。充実の時を迎えている。

 ジャズ好きが高じて録音に興味が移った。1998年に自宅1階を改築し、約60平方メートルのスタジオと調整室など録音施設「河内スタヂオ」を作った。住宅街にあるため防音に気を使った。一方、スタジオ内では心地よく音が響くよう、残響時間が0・7秒になるように地元の専門家に設計を依頼。この残響効果や、都会にはない大潟村の環境などが気に入られてか、99年1月の開設以来、ジャズのプロ演奏家や、地元のアマチュア演奏家たちに愛用されている。

 昨年7月に2日間にわたって演奏を録音したハミルトン氏は、河内さんが高校時代から好きなジャズ演奏家の一人だった。「お世辞かもしれないが、ハミルトンから『また仕事がしたい』と言ってもらえた。あこがれの人の演奏を録音できるとは考えていなかった。スタジオを作った当初は趣味の延長線だったが、今では仕事の一部になった」という。

 録音作業は農閑期の冬と夏に主にする。ジャズに限ると、これまでに10枚のCDを録音した。「いい音づくり」にこだわる。夢は「『名盤』と呼ばれるCDをいつかは自分のスタジオから出すこと」と話している。
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朝日新聞 1999年(平成11年)2月12日

理想の音求めスタジオ開設
アマチュアエンジニア大潟の河内伸介さん
「温かい雰囲気でいい演奏を」すでに2組がレコーディング
ジャズメン絶賛「気持ちいい」

アマチュアエンジニア大潟の河内伸介さん
 最高のジャズを自分の手でいい音で録音したい、と大潟村の農家でアマチュアの録音エンジニア、河内伸介さん(42)が、夢だった自宅一階のレコーディングスタジオを完成させた。先月末のこけら落としパーティには、東京で活躍するギタリスト宮之上貴昭さんやボーカルの小笠原千秋さんら一流のジャズミュージシャンらが多数参加。「こんなに気持ちよく演奏できるスタジオは東京にもない。注目されるかもしれない」と期待している。

 河内さん方のスタジオは、約六十平方a。重低音を響かせる幅二b×奥行き一・八bのコンクリートの巨大スピーカーを設置。秋田大の金田昭彦助教授に音響設計を依頼し、反射面と吸音面をち密に計算した。  心地よく音が響く残響時間0.7秒を実現するため、平行な壁面は1つもなく音を程良く拡散させているという。河内さんは、「住宅地の中にあるから、遮音には気を使った」と話す。 さらに、とった音の音域や残響などのバランスをとる調整室には、大型のミキサーを二台置いている。設計した金田助教授は「アマチュアでも、こったスタジオを作る人は多いが、これほどの調整室とスタジオを両方作る人は国内にいないのでは」 と話す。 数年前まで、国内の一流ミュージシャンのライブに同行し、録音エンジニアとしての造けいを深めた河内さんは、温かい雰囲気で演奏しやすいレコーディングスタジオは、どうすればいいのか、考え続けた。リラックスして自由な雰囲気でこそ、いい演奏ができるのに、ミュージシャンがふだんレコーディングに使う東京都内のビルの中のスタジオは「残響時間が短く、緊張感がありすぎる」と感じていたという。 宮之上さんら二組がレコーディングを終えており、河内さんはこれをレコード会社に持ち込む考えだ。小笠原さんは、「音の抜け、鳴りがいい。一人で試しどりして遊べるし、理想のスタジオ。東京のジャスミュージシャンに知れ渡ったら人気が出ちゃうかも」と絶賛している。
愛媛新聞、他各地方紙(共同通信社 秋田支部提供)
 1999年(平成11年)5月4日


農家の一角に録音スタジオ
秋田・大潟村の河内さん
CD発売、音質高い評価

音楽を録音するのに、東京も秋田も違いはない」。秋田県大潟村の農業河内伸介さん(43) はこのほど、自宅の一角に小さいが本格格的な録音スタジオを完成させた。
 さっそく大好きなジャズ演奏を収録。これがCDになり、大手レコード会社から発売された。音楽関係者も「リラックスして録音できる」、「満足のいく音質だ」などと高く評価している。
 
大潟村は大規模農業で知られ、河内さんも十五へクタールの農地でコメをつくる。
スタジオはミキシングソルームなどを含め計約百平方メートルで広大な農地のわきの住宅地にある。
河内さんは「田植えや稲刈りの時期をのぞけば時間のやりくりはつく」と話す。
 最初はジャズギター奏者を目指し上京したが、ミュージシヤンの荷物持ちをやるうち、録音の魅力にひかれた。 秋田に帰り農業を始めた後もジャズ好きは収まらず、暇を見ては録音機材を背負い全国のライブハウスなどを飛び回り、録音の腕は玄人はだしに。
しかし農業が忙しくなったため自宅にスタジオをつくろうと、十年にわたり構想を練った。費用は数千万かかったという。 完成直後の二月、河内さんのかつてのギターの師匠、官之上貴昭(45)の演奏を録音そのCDがキングレコードから発売された。 機材の面ではレコード会社のスタジオと比べようもないが、キングレコードのチーフプロデューサー中尾陽一さん(45)は「日常の煩雑さから離れた地域で録音するミュージシャンは多く、精神面での意味は大きい」と話している。


日本農業新聞
1999年(平成11年)11月4日

自宅に豪華レコーディングスタジオ
静かな田園に“文化の拠点”
秋田県大潟村の農家
河内伸介さん

 音楽好きが高じ、自宅に本格的なレコーディングスタジオを作ったのが秋田県大潟村の農家・河内伸介さん(43)
農村の静けさ、土地の広さはスタジオにぴったりだ。プロのミュージシャンだけではなく、地元バンドの録音も引き受ける。「好きなことが思いっきりできる農家、そしてこの大潟村が大好き」と、生活を楽しんでいる。
 河内さんは高校の時にジャズにはまり、一時はギター奏者を目指し上京したが、次第に録音の魅力にとりつかれた。ライブハウスの裏方で録音作業をするうち、自宅にレコーディングスタジオをつくりたいという思いを20歳の時に抱いた。自宅に戻り就農、15ヘクタールで水稲を営む中、こつこつとお金をため、自宅の増改築を機に今年1月にスタジオを完成させた。
 スタジオは自宅の1階、約百平方メートルの広さで演奏室、調整室、小部屋の3つ。自ら設計に当たり、吸音や音響を考えた壁、重さ十トンもあるスピーカーなどいい音づくりへ工夫をこらした。
 こけら落としに今年一月、友人でもあるプロのミュージシャンを招き、五十人の仲間とライブを開いた。四月には同スタジオで録音したソロギター演奏のCDをキングレコードから発売。その後も、地元のバンドから録音をたのまれるなど、農業の合間を縫って活動を続ける。
 河内さんはホームページで、ジャズライブや田んぼの様子を紹介している。アドレスは http://www3.justnet.ne.jp/~s-kouchi


秋田さきがけ
1999年(平成11年)11月10日

◆大潟村の農業・河内伸介さん◆
自宅に録音スタジオ設置

ジャズCDつくりライブも開催
大潟村の河内伸介さん(43)=同村西2−2−35が自宅の一角に作った録音スタジオで、ジャズ演奏をCDにしたり、演奏会を開いて音楽ファンを楽しませている。
音楽ファン喜ばせる
 「河内スタヂオ」 はミキシングルームを含めて約百平方メートル。昨年12月に完成した。
今年二月には、河内さんが「ギターの先生」として交流を続けているジャズギタリストの宮之上貴昭さん(46)=東京都=の演奏を収録、4月に大手レコード会社からCDとして発売された、音楽関係者からは「なかなかいい音質だ」と評判は上々だという。
 河内さんは東京で学生生活を送り、一時はジャスのギタリストを目指したが「自分は聴き手が向いている」として奏者の道を断念。代わりに奏者の楽器運びを手伝ったり、ジャズの生演奏を自分なりに録音してるうちに、録音の虜(とりこ)になった。
 20代前半で村に戻り、農業を継ぐ傍ら録音機材を収集。農閑期には、機材を抱えて全国のライブハウスを回り、録音技術の腕を磨いた。スタジオを建設する際には、大手レコード会社からミキシングを譲り受けるなどして「20年来の夢だった」スタジオを完成させた。
 スタジオの基本設計は河内さん自身が行い、バランスのとれた音響になるように木材を多用した。
「音を分散させない構造にする点に気をつかった」と河内さん。
今月1日にはスタジオでジャズのライブを開催。村内など約50人の聴衆が心地よい音色を楽しんだ。
 来月には秋田大学OBでつくるアマチュアバンド「Out Of Bounds」の演奏を収録したCDも発売する予定。
河内さんは「今後は、様々なジャンルの音楽を録音していきたい。若い人たちやアマチュアバンドにスタジオを利用してもらい、CDデビューのきっかけにしてもらいたい」と話している。
河内さん Tel. 0185-45-2009

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